2018年4月23日〜30日の一週間、倉澤奈津子さんにご協力いただき、幻肢痛のログをとりました。なぜそんなことをしたかというと、ひとくちに幻肢痛と言っても、痛みの質や強さが変化するから。しかし変化そのものは通り過ぎるものなので記録にしにくく、また痛みが強いときには字を書くこともできません。そこで以下のような仕方で記録をとりました。
・あらかじめ、大まかな痛みのタイプを倉澤さんにヒアリング。それを清水淳子さんに絵にしていただき、LINEのスタンプを作成(上記リード画像参照)。
・倉澤さんには、痛みがきたらすぐに対応するスタンプをLINEで伊藤に送っていただく。可能であれば言葉でフォローしていただく。
・毎日、そのLINEの記録をもとに、インターネット電話で30分-1時間程度のインタビューを行う。
方法も手探りしつつ、また痛みに注目することが痛みそのものを増幅させてしまう不安もかかえながら、1週間、ひとまずログをとることに成功しました(倉澤さん、ありがとう!)。以下はその間のLINE上のやりとりおよび、(体調の悪かった日を除く)インターネット電話でのインタビューの書き起こしです。
泡がプチプチ弾ける感覚や、幻肢の「表面」のなさ、あるいは「手が腫れようとしている」というような幻肢との微妙な関係など、聞こえてくるのは、やっと名前を与えられたばかりの繊細で微妙な体の声。それにじっくり耳を傾け続けて一週間が経った頃には、「こんなすごいものをいただいて、研究者として何かを返せるのか」という畏れのような感覚を抱いていました。ぜひ、じっくりとお読みください。
・以前の倉澤さんへのインタビューはこちらにあります。
・字が小さくて見にくいので、こちらからpdf版をダウンロードしてお読みいただくことも可能です。